母を歯医者に連れて行きました。
先週、グループホームから電話があり、
「この頃、入れ歯を自分で外してしまうんです。ゆるくなったせいかもしれないから歯科で診てもらった方がいいのでは?」
と言われたからです。
グループホームには訪問の歯医者さんも来ているらしいけれど、今の入れ歯を作った歯医者さんがいいのでは?と言われたので、その歯医者さんに予約の電話をしました。
事情を説明し、
「認知症になんですけれど・・・診てもらえますか?」
と恐る恐る聞いてみたら、意外にあっさり「だいじょうぶ」と言われたのでとりあえず予約。
そして予約日の今日になりました。
大丈夫とは言われたけれど、もしかしたら軽く考えているのかも?と心配だったので、受付でもう一度
「認知症で、言ってることが伝わらなかったりするんですが・・・」
と聞いてみたけれど、
「付き添って中に入っていただいていいですよ・・・大丈夫ですから」
とのこと。
そう言っていただいてもなお不安でした。
以前、父を病院や歯科医に連れて行ったときの経験がいろいろとあるからです。
認知症を理解して適切に対応できるお医者様・・・特に歯医者さんは少ないのです。
父は結局、満足な治療を受けることはできませんでした。
歯が悪くなれば食べられなくなる。その結果、命が縮まったのは確かだと思います。
でも、私のそんな心配を、今日の歯医者さんはものの見事に裏切ってくれました。
先生も他のスタッフの皆さんも、とても好意的にうまく接してくれたので、母は嫌がることも怖がることもなく、無事今日の診察を終えることができました。
診察の結果、入れ歯は新しくするのが望ましく、そのためには残っている歯の治療も必要なことを説明され
「長くかかりますが、通えますか?」
と聞かれました。
通えますかなんて、しっかり治療していただけるなら、願ったりかなったりです。
「こんな状態ですが、治療していただけるなら通うのは全然大丈夫です!」
と答えると、
「じっとして治療を受けられてるし、このくらいぜんぜん問題ないですよ」
と言われ、もう感謝感謝。
本当は問題ないわけないんですよ。
わけわからない母に一生懸命わかるように話しかけ、レントゲンとるときには先生がしゃがんで付き添っててくれたじゃないですか?
治療中に母が歌を歌っても
「上手ですね~、声きれい!」
なんて言いながらにこにこ接してくれたから、母も上機嫌で診察を受けられたのです。
扱い方うまいなぁと思ったのと同時に、認知症で大変でもちゃんと治療しましょうという熱意が感じられて、本当にありがたいと思いました。
今日はとりあえず応急処置だけで、本格治療は連休明けからということになりました。
これからますます歯の治療なんて難しくなるだろうことを考えると、今きちんとしておけば先々安心です。
でも、これからの治療のことを考えるとちょっと心配。
今日はよかったけれど、このご機嫌や、今の状態がいつまで続くかはわかりません。
ちょっと治療は難しくなりましたね・・・なんてことに途中からなってしまわないかなぁ・・・?
そしてたぶん毎週、治療に通わなくちゃいけないのは、私としても楽じゃない。
少し落ち着いてきてほっと一息だったけれど、またひとがんばりしなくては。
さぁまた、気合入れていくぞ~!