夕方、ショートステイに行っていた母を迎えに行きました。
ホールにはすてきなお雛様が飾ってありました。
この施設は、最近よくあるユニットタイプで、中央のホールの周りにユニットがあり、それぞれのユニットにはまた中央に広いスペースがあってその周りに個室があります。
いまどきのたいていの施設はこのユニットタイプですけれど、私は常々不思議に思っていることがあるんです。それはユニットの外にまるっきりお年寄りがいないこと。
別の施設の話ですが、そこにはコミュニティースペースや図書コーナーがあって、地域の人と触れ合えるというのがウリです。でも実際には、施設の玄関からエレベーター、ユニットの出入り口にまでロックがかかっていて、自由な行き来なんてちょっと無理。
そのまた別の施設では、とてもすてきな広いお庭があるけれど、やはりユニットの出入り口はロックされていて、入居者が自由に出て歩くなんてちょっと無理。
そんなわけで、とある施設を利用する前に、相談員さんに聞いてみたことがありました。
「すてきなスペースがありますけれど、ユニットから出てお散歩してもいいんでしょうか?」
すると、
「うちはどこにも鍵はないし、職員に声さえ掛けていただければ、自由に出て歩けますよ」
ということでした。
なので、そこを利用する前に、母にも、
「声を掛けて行けば、自由に出て歩いていいんだって。お散歩して歩いていいんだよ」
と言ったのですが、
「でもね~、あなた、そういうわけにもいかないのよ~」
だそうです。
見えないプレッシャーがあるのか?それともお年寄りにありがちな余計な遠慮なのか?
理由はよくわからないけれど、せっかくのいい設備があるのに使わないのはもったいないことだと思います。